公然の秘密―続編 罠にはまった裁判―連載11 (日本一のヒバ林の隠された謎に迫る) |
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「ヒバ林は林野庁の127林班である」との林野庁の主張の謎 林野庁は、過去の裁判において、石山沢のヒバ林は127林班として林野庁が明治以来管理してきた国有林であると主張している。この主張は、上記した他の主張に比較して、投資家サイドが反論しにくいテーマである。完全に林野庁内部の事柄であり、部外者は入り込めないところがある。そして、この問題は、そもそも坂井家が有していた石山沢のヒバ林の国有地との境界はどこかという17代や18代の源八自身も明確な証拠を有していなかった問題の裏返しであり、互いに決め手を欠く事柄にかかわっている。坂井家が表向きの図面の距離を意図的に測量数値の10分の一にしていたことから、佐井村役場作成の資料4の字界図は裏資料と言われても仕方のない面があり、その存在だけでは営林署および林野庁を説得するまでには至らなかったのも致し方ない面があるといえるところである。 そして、坂井家と林野庁は互いに重なりあった形でこのヒバ林を自己の所有と主張し合っていたのが過去の実態と思われるところである。 ただし、戦前までは江戸時代からの坂井家によるヒバ林支配の経緯を多くの村人が承知しており、公の組織である営林署としてもそれを無視した対応はとれなかったところである。すなわち、130番という地番が石山沢のヒバ林であることやその登記面積が実態を示さないことについては互いに認め合っていたことであり、ただその実際の面積がいくらか、その実際の境界が何処か、という点についてのみ争いが残っていたに過ぎなかったわけである。そうだとすると、仮に林班図が正当に作成されたものであっても、それはあくまで林野庁の姿勢(ポーズというべきか)を示すにとどまり、それにより坂井家の権利が否定されることにはならないところである。また、境界線が不明画である以上は林野庁としてその全体を国有林として主張しようとするのはある意味で役所としては当然のことであろう。しかし、最低限でも登記された面積については認めざるを得ないはずなのであるが、その最低線までも後の林野庁が裁判を通じて事実上は完全否定に走ったものであり、許し難いところである。 また、そもそもこの種の主張は林野庁の完全な内部事情であり、その気になれば林野庁は如何様にでも林班作成が可能なもので、その証拠価値はあくまでその信用性にかかっており、もし、明治・大正の官民境界査定図のようなものにまでごまかしがなされていたとすると、単なる内部資料である林班及びその図面につきその信ぴょう性なしとの疑念を持たれても仕方のないところである。以下、項目に分けてこの127林班であるとの林野庁の主張の信ぴょう性・その実体につき検討する。 ただ、その前に、林班及び林班図なるものがどのような性格のものかにつき一般論として若干の説明をしておきたい。連載7の「林野庁のクレーム」で述べたように、投資家との間の紛争が始まった当初においては、林野庁はこの林班図しか本ヒバ林が国有林であるとの証拠資料が出せなかったようで(恐らくは国有林として作業内容の実績も)、仮処分や告発等の申立てが不調に終わったようである。そもそも、この林班なるものはその対象地が国有林であると証明するような制度の下で作成されるものではなく、主に国有林を対象にして森林整備の目的で各地の森林管理局が定めている私有林を含めた一定範囲の山林の地区割に過ぎないところである。平たく言えば、私有林と林班が重なっていても何の問題もないわけである。
当然であるが、何故、天然記念物のようなこのヒバ林が周辺の国有林と区別されてわざわざ保安林の指定から外れているのか、との疑問が沸く。この点を坂井氏から営林署OBに尋ねてもらったところ、OBが重い口を開き、「保安林の指定は林野庁ではなく県が行う。保安林の指定を受けると基本的に木を切れなくなるので林野庁はそれを望まない。」とのことであった。しかし、そうだとすると、逆に、保安林の指定を受けた周りの国有林のヒバ等が大量に伐採されているのに、その指定を受けていない本ヒバ林だけが伐採を免れていることになり、何ともちぐはぐなのである。何か裏のある話のように思われるのだが、今のところその深層はつかめていない。 以上の次第であり、この林班は、仮に林野庁の内部での書類形式としては以前からあったものだとしても、本ヒバ林を完全な管理下に置いた実態のあるものではなかった可能性が非常に高い。そうなると、このヒバ林に対しての林野庁の権利自体がその全体として怪しくなるのであり、資料4の字界図が示すようにヒバ林全体が坂井家の所有であった可能性が圧倒的に高くなると判断せざるを得なくなりそうなのである。 |
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