犯罪被害者給付金 | ||||
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一般的にはあまり知られた制度ではないが、たしか、オーム事件とかで、少し話題になったはずである。犯罪の被害(身体的な被害)にあっても、加害者が不明だとか、支払い能力がないといった理由で、まともにその賠償を受けられない被害者のことを念頭に、国が一定の救済を施そうとする制度《法律》である。担当は、たしか、警察庁だったと思うが。 私自身、それほど、刑事にからんだ事件を扱っているわけでも、ましてや、この法制度のことをよく知っているわけでもないが、たまたま、気の毒な被害者の案件(民事の賠償請求)を扱って、少し調べて感じたことがあるので、それを述べてみたい。 この制度もよく改正されているようなので、知ったかぶりはできないが、平成20年の4月に法律の大きな改正があり、それがその年の7月に実施された。それまで、たしか、最高で1千万円強だった被害者に対する給付金が、一気に3倍程度にアップされたのである。私が担当した事案は、4月の犯行であり、たった3ヶ月の差で、このアップの恩恵にあずかれなかった。当時、いろいろ調べたが、「この程度(の額)では、わざわざ申請をするだけの意味がない。民事裁判で賠償を取るしかない」と判断し、複数の加害者を相手に裁判をし、その上で、現在、小額の分割金での賠償を得ている。多分、あと20年ほどかかる。この改正は、それ以前の犯行の被害者には、適用されないからである。 何故、さかのぼって適用しないのか?と考えると、一つは、資金手当ての問題。国の財政であるが、もう一つは、過去の救済をしても、あまり票に結びつかないからであろう、と私には、思われる。世間の耳目を集める犯罪が生じ、それらに対して、「今後、犯罪被害者に対して国は責任をもって被害の救済をする体制を作ります」というのは、選挙受けもするが、「過去にさかのぼって、救済をします」といっても、直接喜ぶのはその当人だけであり、あまり選挙向けではないのであろう。もちろん、それだけが理由ではないが、平成20年7月以降に犯行にあった人と、それ以前の人とでは、その補償内容に、大変な差があるのは、事実である。 先進国と呼ばれる国の中では、日本のこの種の財政支出は、今でも極端に少ないようである。一つには、犯罪が、まだ、諸外国より少ないという面もあるのであろうが、そもそも、個々の給付額自体が少ないようである。昔は、犯罪、特に傷害や殺人、は、特定の集団の中の人たちのことであり、一般人には関係がないという意識があり、それが制度の改正が後手に回る理由であったと思わる。しかし、今や、誰でもその種の犯罪に巻き込まれるのであり、頭の切り替えが必要である。言い換えれば、この制度は、それなりに選挙の票になりえるのであり、国の選挙で、あるいは自治体の選挙で、もっと広く給付金が支給されるようにする、そうした制度を作ることが、公約の一つになるような方向に社会を持っていきたいものである。手始めは、県民に対する手厚い保護を売りに、知事選あたりで競わせるのも、一方かも知れないと思う。国会議員より、こっちの方がやりやすい気がする。「私は、・・県を、県民に優しい県にしたい。不幸にして犯罪により身体に被害を受けた方に対して、諸外国並みの給付を実現します」というところか。安心して住める街というのは、よくきくセリフだが、万が一の時の面倒をみるというのも、結構受けるように思う。残念ながら、そんな時代・世の中になってきている気がする。 |
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