父の思い出 | ||||
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まだ冬の寒さの厳しい時のことだが、風呂に入った後、テレビの深夜番組につい夢中になってしまい、湯冷めし、風邪気味になってしまった。そして、父の口癖であった「寒いと思った時は、もう、風邪ひいとるんじゃ」という言葉を思い出した。 私は、子供のころに父と一緒に遊んだ、という記憶がない。一緒に動物園に行ったり、百貨店に行ったりはしたが、ボール投げをしたとか、公園に遊びに行ったという記憶がない。遊んだという記憶がないだけでなく、よく考えると、あまり話もしていなかったようである。父は、明治30年生まれであり、私が物心ついたころには、すでに還暦に達していたわけで、子供に対する愛情はあっても、一緒に遊んだり話をするのは苦手だったように思う。 確か、生まれ故郷の離れ島で最初か2番目の帝国大学出身者であり、一流官庁の内定をけって、当時のトップ企業であった日本郵船に入ったのだから、若い頃はいろいろと野心もあったとは思うのだが、私の知る父は、そうした経歴とは無縁であり、また、本人もあまり自分のことを話そうとしなかった。おそらく、郷土と一族の期待を背負いながら、それに答えられなかったという無念さを内に収めていたのかな、と今にして思う。そんな父の口癖が、冒頭に述べた、寒いと思った時は・・・、である。 風呂から出た後は、体がほてって熱いので、つい薄着になりがちであるし、また、それが気持ちいい。でも、どこかで寒くなるわけだが、その見極めが難しい。で、つい、手遅れとなってしまう。特に、少しだけと思いながら深夜にテレビを見るときが要注意である。あまり話をしなかった父も、子供の健康だけは気になっていたのであろう。それで、風邪をひかないようにと思って、注意をし続けていたのだろう。いつの頃からか、親父の言ったことで一つだけ当たっていたのは、「寒いと思った時には風邪をひいておる」というセリフだな、と思うようになっていた。 あまり密な父子関係ではなかったが、風呂上りに湯冷めし、風邪気味になるたびに、父の言葉を思い出す。私にとっては、父のことを思い出させてくれる貴重な絆でもある。 |
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