10センチ・20センチの津波予報を当てて何になる | ||||
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今回の地震による人的被害については、私はそのほとんどが人災であると感じている。津波被害を知ったその時からの印象である。実は、以前から、「(10センチ)20センチほどの津波がきます」と言ったあきれるほど高度な津波予報を聞いていて、「そんな予報をいちいち出して何になる。これでは、みんなが津波予報にマヒしてしまう。いざという時に狼少年のように思われたらどうするのか。」と気になっていた。もっと言うと、何か悪い予感のようなものを感じていた。それで、多くの人が何か漫然と逃げ遅れたり、海の方へ向かったと知った時、この10センチ・20センチの予報が、無性に、腹立たしかったのである。 時間がたって、いろいろと地震当日の様子がよりよく知られるようになってきたが、「津波」と聞いて何も考えずに恐れて無我夢中で高いところへ逃げた人は、そのほとんどが助かっているようである。そうであれば、これは、人災としか言えないのではなかろうか。亡くなった人に対して厳しい言葉かもしれないが、同じような間違いを将来また犯さないためにも、生き延びた者、幸いにして被害地域にいなかった者は、今回の災害、特に人的被害、が何に起因しているのか、正面から向かい合うべきと思っている。そうした基本姿勢に立つ限り、私には、表記した様な、それが科学的なのかどうかは知らないが、常識的にはどうでもいいような予報を出すことの功罪を、もっとはっきりと俎上に上げて議論がなされるべきものと感じている。 結論から言えば、数十センチといった津波予報をテレビやラジオで仰々しく出すのは、止めた方がいい。少なくも、今までのようなご丁寧な扱いは、百害あって一利なしであろう。予報を業とするものにとっては、正確な予報に努めるのは当然であろうが、その全てを予報として発表していたのでは、精度が進めばその内にミリ単位の予報だって計算上は可能となってしまうであろう。しかし、津波予報は、予報の精度を争う競技でもなければ、予報に携わっている者のためにあるのでもない。あくまで、それを聞いている人の安全のためにあるのであって、それに貢献しないような情報は無意味なだけでなく、今回の災害で否定できない形で現れてしまったように、「狼少年」になってしまうのである。ましてや、肝心の今回の地震に際して『想定を超す予測不能の大津波が来ます!』と緊急警告でもしてくれていたのならまだしも、実際には、中途半端な予報になっていたはずである。 本来の目的を忘れてしまい、単に制度や組織の維持が自己目的化したような例がよく見られる。ある程度は、仕方のないことであるが、近頃はそれが少し目に余るというのが正直なところである。 |
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