科学的な地震予知? | ||||
15.オリンパス問題と 監査法人 2011/11/10 14.内容証明郵便は 合憲か? 2011/09/28 13.無罪判決 2011/09/14 12.内閣の記者会見は バラエティ番組? 2011/09/12 11.首相が変わって 何がどう悪い? 2011/09/01 10.風評被害と マーケットの力 2011/08/01 9.裁判員は素人か? 2011/06/30 8.原発の安全性と マーケット機能 2011/06/09 7.昔の方が、まだ、 ましだった? 2011/06/02 6.ちょっと気分と角度を 変えて原発問題を考 えてみる 2011/05/19 5.科学的な地震予知? 2011/04/25 4.(福島)原発事故と 賠償責任 2011/04/18 3.地震で思い出した 祖母の話 2011/03/28 2.103歳のジャッジ 2011/02/02 |
この「一言」で、こんなに地震や原発のことにつき触れることになろうとは、思いもしなかった。でも、いま最もホットな話題であり、標題につき以前から感じていたことをお話ししたい。 もう10年以上も前のことで、いささかその記憶もあいまいなのだが、何かで、『地震予知に本気で取り組んでいるのは世界で日本だけ。他の国は、今の技術では無理と諦めている』という記事を読んだ。それは、別段、日本の研究姿勢をほめようとしていたのではなく、毎年途方もない資金を地震予知につぎ込んでいる日本を理解できないといった感じで、揶揄するものであった。私は、それ以前から、『東海地震予知』ということがづっと騒がれ続けられ、挙句に阪神大震災であり、一体地震予知というものに意味があるのか疑問をもっていたことから、「やっぱりそうか」と思ったので、よく覚えている次第である。「本当に、今の地震予知調査に、大金を使ってまでやる意味があるのか」という疑問である。 これについては、最近、日本にいる米国の地震学者が、恐らくは今回の大地震を受けてのことであろうが、『日本は、これ以上、意味のない地震予知に拘るべきではない』といった趣旨の論文を発表したとのことである。『東海地震は、いつ起きても不思議でない』という言葉をしょっちゅう新聞等で目にするが、そうした言葉が出ること自体、地震予知が無意味であることを如実に示しているはずである。でも、そんな不可解な言葉が大手をふってマスコミで取り上げられている。私には、理解が不能である。 ところで、意味のないこれまでの国家予算主導の地震予知ではなく、今回の地震でも巷で話題になっている、『ネズミがいなくなった』『・・・がどうした』といった身近な事象の検討の方がよっぽど大事に思われる。ここで、ついでに何が科学的で何を非科学的と言うかにつき、私の持論を持ち出したい。科学的とは、既成の権威にとらわれず、事実をあるがままに受け入れてそこから有益なものを取り出そうとする姿勢のことであり、非科学的とは何らかの権威に寄り添い、そこから結論を導き出そうとする姿勢である。 もし、ネズミやナマズの動きが、地震の予知に役立つ可能性がありそうなら、その理由や仕組みが分からなくても、其の関係を調べて、利用しようとするのが科学的な態度なのであり、ネズミやナマズは非科学的と既成の権威に頼って初めから排除するのは、非科学的あるいは迷信と言ってよいものである。それも、金だけを食って、何の成果もないというのであるから、たちが悪い。 ニュートンは、ケプラーやガリレオの観測結果を基に、万有引力を仮定し、いわゆる近代科学の基礎を作ったわけだが、ニュートン自身は、『万有引力が何なのか』最後まで分からず、悩んでいたそうである。『その仕組みの本質は分からないが、役に立つ事象を探し出す』のが科学的なのである。もし、ネズミやナマズに統計的に見て有意義な予知能力があるなら、それをそのまま受け入れるのが科学的態度であり、何故ネズミやナマズが、地震学者を差し置いて、地震を予知できるのかは、分からなくていいのである。そして、うれしいことに、この科学的調査は、あまり予算を必要としそうにない。 |
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