地震で思い出した祖母の話 | ||||
15.オリンパス問題と 監査法人 2011/11/10 14.内容証明郵便は 合憲か? 2011/09/28 13.無罪判決 2011/09/14 12.内閣の記者会見は バラエティ番組? 2011/09/12 11.首相が変わって 何がどう悪い? 2011/09/01 10.風評被害と マーケットの力 2011/08/01 9.裁判員は素人か? 2011/06/30 8.原発の安全性と マーケット機能 2011/06/09 7.昔の方が、まだ、 ましだった? 2011/06/02 6.ちょっと気分と角度を 変えて原発問題を考 えてみる 2011/05/19 5.科学的な地震予知? 2011/04/25 4.(福島)原発事故と 賠償責任 2011/04/18 3.地震で思い出した 祖母の話 2011/03/28 2.103歳のジャッジ 2011/02/02 |
大きな地震が、大変な被害をもたらしている。それも、どこまでが天災でどこからが人災なのか、よく分からない。いろいろな思いがあるが、この事件を契機に思いだした祖母の話をお伝えしたい。 私は、父が51歳の時の子供であるから、祖母と言っても、明治の10年前後の生まれのはずである。其の祖母から、私の祖父の父のことだと思うのだが、島に精錬所ができるのを命懸けで防いだという話を、子供のころに、よく聞かされた。 私の故郷は、塩飽本島といって、瀬戸内海に浮かぶ周囲10数キロ程の小さい島であり、実家は代々村長をしていたようである。祖母の話では、明治のころに、富国強兵策の一環で鉛か何かの金属の精錬工場を今で言うところの島へ誘致する計画が持ち上がり、それに対して私の先祖が中心になって『(今は得するが、将来)人が住めなくなる』と大反対をして、他の島に工場をもって行かせて、「島を守った」、という自慢話である。しかし、今回の原発事故をみると、祖母の話しは自慢話だけではなく、「人は何をしなければならないかを本当に教えていたんだ」、と今にして素直に理解できる。 目先の損得あるいは自分の損得ばかりを基準に動く、政治家・企業人・役人に任せていたのでは、このような事故が何時か起こるのは必然であり、日本は滅んでしまう。祖母の口癖は、「名は末代」ということであり、自分限りの損得ではなく、子供の世代、其の子の世代、そしてずーと先の世代のことを考えることを説いていた。せめて政治家には、この祖母の気概をもった人間にやってもらいたいし、やらせなければならないと、今、痛切に感じている。 こんなことを書く破目になってしまったことが一番残念だが、目をつぶっていくことはもう許されない。これまで、日本の首相は『猿でも務まる』とのんきなことを言っていたが、猿は動物園に戻すしかなくなった。 |
|||
アーカイブ 2024年 2023年 2021年 2020年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 |
||||